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STAR面接
[スターメンセツ]

「STAR面接」とは、候補者の過去の行動から特性や価値観などを見極める構造化面接の手法の一つ。Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Result(結果)の頭文字を取ったものです。「行動面接」とも呼ばれています。面接官がフレームワークに沿った質問を投げかけることで、候補者が過去の特定の状況で、どのように考え、行動し、どんな結果を出したのかを具体的に引き出します。面接官の主観や印象に頼った評価を避け、候補者の能力を客観的に見極めることができるため、採用の精度を高める目的で導入する企業が増加しています。

STAR面接のケーススタディ

なぜ過去の行動を深掘りするのか
STAR面接の具体的な質問と評価のポイント

面接では「あなたの強みは何ですか」という抽象的な質問が多くなりがちです。事前に模範回答を準備することができるので、候補者がどんな人なのかを判断しづらい側面があります。そのため、候補者の評価が面接官の主観や印象に大きく左右され、入社後のミスマッチが発生するケースが少なくありませんでした。

STAR面接の特徴は、S・T・A・Rの四つの要素に沿って過去の行動を深掘りする点です。まず、「Situation(状況)」と「Task(課題)」に関する質問で、候補者がどのような場面で、何をすべき状況だったのか、その背景を明らかにします。例えば、「チームで最も困難だったプロジェクトについて教えてください」といった質問が起点となります。

核となるのが「Action(行動)」です。課題に対して候補者自身が「具体的にどのように考え、何をしたのか」を深掘りします。主語が「私たち(チーム)」ではなく、「私」であることが重要です。「あなた自身は何をしたのですか」と問いを重ねることで、主体的な行動や思考のプロセスを明らかにします。

最後に、「Result(結果)」について聞き、その行動がどのような成果につながったのかを確認します。「売上が10%向上した」「納期を3日前倒しできた」といった定量的な結果だけでなく、行動によって周囲にどのような影響を与えたか、何を学んだのかといった定性的な成果を確認します。

例えば「主体性」というコンピテンシーを評価したい場合、指示を待つのではなく自ら課題を発見し(S, T)、周囲を巻き込みながら解決策を実行し(A)、具体的な成果を出した(R)という一貫した行動事実を確認できます。

STAR面接を導入する際は、面接官へのトレーニングが不可欠です。単にフレームワークをなぞるだけでなく、候補者の回答に対して「なぜそう考えたのですか」「他に選択肢はありましたか」といった追加の質問を投げかけ、思考の深さや再現性を探るスキルが求められます。事実関係の深掘りを重ねるため、候補者に圧迫感を抱かせない姿勢も必要です。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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